天井画の役割

新しい芸術ジャンルとして、世界中に広げて行きたい未来のアート 天井画。
現代の神棚

「現代建築にも、神棚が必要だ」と僕の仕事のパートナーさんが時々言っている。
天井画は現代の神棚だと。

Panのそらのアトリエのまわりにも、新しい家が増えて来た。
むかしは、大きな敷地にお年寄りが一人で住んでいたり
したところに、今はそこに2世帯、3世帯の新しい家が建ち、気付いたらアトリエの前の公園はいつも子供たちの声でにぎわっている。
新しい家はどれもきれいで、機能的な感じでカッコいい。
自分の家が、昔ながらの木造で、それはそれで良いのだがやはりあちこち痛んできている。それでも古い家には床の間があり、神棚があり、仏壇がある。

今の新しい家はどうだろうか?自分の知る限りでは、機能性重視のため、そのようなスペースは無くなる傾向にあるように感じた。
うちのお客様で、そのような新しい家に天井画を入れられる方がみえるが、そこでの天井画は、昔の家の床の間や神棚に相当する場所になるように思う。
それを見て子供は、無意識のうちに何か豊かなものに触れて育つ。
仏壇に代る照明


「仏壇に代る照明」とは何のことだろうか。
写真(上)のものがそれだ。
照明器具自体が仏壇の代わりになっている。

現代の社会が、便利さや機能性を優先する中で、省略されたり、無くなったりしていくものに家の中の床の間や神棚、仏壇などがあると書いた。
お葬式も簡略化し、樹木葬や骨灰を海に撒いてくれればいいという方もいる。
20代のころの自分なら、たぶん同じ事を思っただろう。
しかし、今は違う。世の中が何か乾いてきているというか、経済優先、機能優先、科学万能の世の中になって来ているので自分の仕事の中でその隙間を埋められるものは無いかと思っている。
たとえば先祖を思う”心の奥行”のようなものが欲しいのだ。

昔の人は、あの作り込まれた金色の仏壇を見て感動し、自分が死んだあと赴く世界をその先に見たように思う。
しかし、うちにも古い仏壇があるが、その中に入って行きたいとはちょっと思わない。
デザインが古すぎて、ちょっと難しいのだ。ただ現代人にとっても、その先を思わせるものがやはりあっても良いと思う。


※【写真】LED照明付き ミニ天井画  
【価格】 
大20万円(税別)6畳から8畳の部屋向き
小10万円(税別)小部屋/卓上置き
キリスト教と仏教


キリスト教と仏教は、違う宗教なのか。違うと言えば違うし、似てるところもたくさんある。

違うところ。
キリスト教はイエス・キリストを教祖とし、仏教はお釈迦様を祖とする。

似てるところ。
どちらも神や仏を敬い、その教えに従ってこの世界で正しく生き、他人を害さず、人に親切にし、共に幸せになってあの世に還りましょう、というところ。

また、どちらも「この世」と「あの世」があるという世界観は共通している。戦後の日本では、仏教でも「あの世は無い」「生まれ変わりは無い」という意見が出てきたが、その方が現代的で進んでいるように見えるからだろう。その影響を受けてしまったお坊さんの中には、自分の立場が分からなくなって悩んでいる人もいる。
さて、キリスト教は、死んだらもう生まれ変わっては来ない。行ったっきりの「一方通行」になっている。それに対して仏教は生まれ変わりがあり、あの世からまた再びこの世に生まれるという「循環」がある。
ただ、キリスト教の中にもそのような「循環」、つまり「転生輪廻」を説く宗派もある。ドイツでは「キリスト者共同体」という宗派がそうだ。

また近年の西洋では、仏教思想に接近するアプローチがとても多くある。本当は宗教は上の方で繋がっていて、西洋ではそれがキリスト教になり、東洋では仏教になり、中東でイスラム教になって出てきているので、違うというより、元は一緒が正しいと思う。イエス・キリストは、自分はエリアの再来だとか、そうでないとか言っているので、もともとはキリスト教にも「生まれ変わり」の考えはあったと思われる。
統一教会は・・・?
キリスト教の異端に当たるもののようで、天国的な感じはしない。


※【写真】LED照明付き ミニ天井画  
【価格】 
大20万円(税別)6畳から8畳の部屋向き
小10万円(税別)小部屋/卓上置き
青空の向こう側

人類が宇宙空間に出たので、人は青空の向こうに天国があるのではなく、
そこには広大な宇宙空間があることを知った。
それで天国が消えてしまったわけでは無いけれど、イメージとしては、昔の人は青空の向こう側に天国をイメージしていたかも知れない。

昔の人が想像していた、はるか海の向こうに滝があって、そこから水が滔々と流れ落ちているイメージ。その下にたくさんの象さんが地面を支えていて、その象さんが乗っている地面をまた別の大きな生き物が支えているイメージが、マゼランの世界一周や、コロンブスのアメリカ大陸の発見によって消えた。地球は丸いということを知った人間にとって、小さな地球が広大な宇宙空間の中でひたすらクルクルと廻っているというのは、何か一抹の淋しさを感じてしまうのだが。

ところで、「天国」や「地獄」は、青空の向こうではなく、同じ時空間の中にある。目には見えないが、今まさにこの場所この時間にあって、高い次元が下の次元を包括するように存在している。高い次元が低い次元を包括するとき、上からは分っても下からは分からないことがある。
ちょうど紙に消しゴムを置いた時、紙である「二次元の存在」は、その上の「三次元存在」である消しゴムを正確に認識できない。”高さの概念”が無いからだ。面としては接しているのでそこに「何かあるのは分るが本当の姿は分からない」みたいなことが、この「天国や地獄」においても当てはまると思う。
さしずめ、紙の上にある消しゴムが「天国」で、紙の下にあるのが「地獄」だとする。高さの概念が無い「二次元存在」にとっては、両者の区別がつきにくい。
同じように、私たちが五感によって認識できる以上の次元があって、その中に包まれて私たちは住んでいるのだが、上の次元、つまり私たちが死んで帰る世界に「天国」(下の方に「地獄」)があって、それははるか遠くではなく、今住んでいる同じ場所に目に見えない形で重なって存在しているが、明確にその区別が出来ている訳では無いという状況が実態に近いと思う。


ドーム天井画
直径900㎜ 高さ450㎜
材質:石膏にアクリル絵具 受注生産
人間心では分からないことも

私たちが住んでいるこの三次元世界の外側に、もう一つ高い次元が存在し、その上の方に「天国」が、下の方に「地獄」があり、さらにその「天国」のなかにもさらに高い次元が存在しているとしたら。
そしてそれが地球を越え、太陽系を越え、銀河系を越えて、延々に続いているとしたら。考えると気が遠くなってくる。
そして、この世界がいつから始まったのかを考えると、もっと狂おしくなることは無いだろうか。
答えはある筈なのに、納得できるはずは無いというジレンマ。

逆に心の内側に向って何かを求めるとしても、そこに見えるのは、昨夜見た夢を思い出そうとしても、思い出せない感覚に近い茫洋とした空間だ。
はっきりと見えないけども、延々と続いて行くだろう果てしない何か空間のようなものがある。

外側にも内側にも手の届かない空間の中を一人進んでいる自分がいるのは分る。
その感じは、大宇宙の漆黒の闇の中にポツンと存在し、ひたすらクルクルと廻っている地球に似ている。
両者にとっての救いは、ありがたいことに太陽がいつも存在してくれていることだ。


【画像】何層にも次元が重なり合った宇宙空間 CG
あの世があるか無いかは、
100%分かる。

神様がいるのかいないのか。あの世はあるのか無いのか。

それは人間にとって永遠のテーマだと思う。

しかし「あの世があるかないか」は、死ねば100%分かる。

あの世が無ければすべてがそこで終わるわけだが、あの世があれば死後も意識は続いて行く。

【画像】あの世の高次元世界の入口のイメージを描いたもの CG
神様のなぞなぞ


これは、神様のなぞなぞだ。

神様が、この地上世界を作った時、わざと謎のままにしておいたことがある。
「神がいるのかいないのか、あの世があるのか無いのか」

というものだ。

平面を這うアリが富士山の高さを認識できなくても生きていけるが、もしそれに関心を持つアリがいたら、
何十億年の長い「転生輪廻」の中で、アリから人間に進化して行くかも知れない。
それは「神様のなぞなぞ」を解いたご褒美として最高のものになるだろう。

【画像】ドーム天井画 
そして地上に戻る

遠い遠い、遥か彼方の異次元世界から、また地上に戻って来る。
三次元世界のアリ君でもある私たちは、その「次元の制約」のため上の次元を明確に意識することは難しい。しかし、そこには確かに私たちが想像できないような世界があるようだ。

地面を這う本当のアリ君にとって、そのようなことはどうでも良いことかも知れないが、人間もアリも、有限の時空間の中を生き、しかもそれを何万回、何十万回、何百万回と繰り返している。
有限であって無限。
その中で「魂の進化」があるとしたら、その鍵になるものは何だろう。
それは、そのような世界を作られた元なる存在があること、その存在は私たちも作り、この世界も作り、その中に私たちを住まわせ、温かく見守り、時に厳しい試練を与え、自分も他人も元は一つだったことに思いを馳せ、共に向上しようと努力することのように思われる。
この世界が善と悪の相克であるとしても、造物主が善であることを信じ、その信仰によって困難を乗り越え、悪を善に変えていくことが私たちの魂を進化させていくことに繋がって行くのだろう。

新しい芸術ジャンルとして、世界中に広げて行きたい未来のアート 天井画。
2020/4/22